4月 22
トレード法に影響を及ぼす「認知のゆがみ」⑤小数の法則
小数の法則の魔術にかかると、ある集団から取り出した小量のサンプ
ルは、その母集団の特性がそっくり現れているように思わされてしま
います。
小数の法則とは、統計学でいう【大数の法則】をもじったもので、こ
れは、大量のサンプルにはそれが取り出された母集団の特性がそっく
り現れているという法則です。
世論調査は全て、この考えをもとに行なわれます。
ランダムに抽出された500人は、2億人かそれ以上の母集団の動向を探
るよいバロメーターになります。
これとは対照的に、あまりに少ないサンプルには、元なる母集団の特
性があまり反映されません。
例えばあるトレード戦略が、6回のテストのうち4回成功したとします
。
たいていのトレーダーはこれを有効な戦略と見ますが、統計学的証拠
に照らし合わせると、確信のある結論を引き出すには情報量が充分で
無いということになります。
3年連続で市場平均指数を上回る業績をあげたファンド・マネージャ
ーは英雄視されますが、残念なことに2年や3年の業績では、長期的な
期待値がどの程度なのかほとんど予測がつきません。
【小数の法則】の影響を受けるトレーダーは、安易に過大な信頼を寄
せたり、そっくりそれを失ったりしてしまいます。
ここに直近偏向と結果偏向が加わると、せっかくトレーダーが有効な
アプローチ法をとっていても、そのアプローチ法が機能し始める前に
それを放り出しかねません。
認知のゆがみはトレーダーに、計り知れない影響をおよぼします。
認知のゆがみに惑わされなければ、ほぼ全ての【ゆがみ】が金儲けの
チャンスに繋がるからです。
トレード法・サイクル理論(松下誠・野川徹)に学ぶFX・株の極意
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