5月 15
キチン・サイクルは、株のトレードに用いやすい指標です
キチン・サイクルは、今までお話ししてきたサイクルのなかでは、一
番短期のものになります。
キチン・サイクルは、おおよそ3~4年周期の在庫循環の変動によっ
て、形成される短期循環です。
キチン・サイクルは、1923年にアメリカのキチンが発見したので
、キチンサイクルと呼ばれるようになりました。
この短期のキチン・サイクルの様子をもう少し詳しく見てみることに
しましょう。
それでは、企業の在庫と出荷の伸び率について見てみることにしまし
ょう。
不況期には在庫も出荷も伸び率は低迷します。
そのあと、景気が回復してくると出荷が伸びてきます。
しかし、企業はその時点では在庫を本格的に増やそうとしません。
しばらく時間が経過して、景気が好況局面へ入ってくると、いよいよ
企業は、本格的に在庫を増やしていきます。
しばらくして、好況のときが過ぎると、出荷の伸びが下がり始めます
。
しかし、企業はその時点ではまだ、それに気が付いていないので、在
庫の伸び率は以前高水準で維持されています。
そのうちに、企業も景気の弱さを認識し、在庫水準を下げていくこと
になります。
ちょっと遅れ気味なんですが・・・・・
そしてとうとう、景気は不況局面に突入して、ちょうどサイクルは一
巡りすることになります。
このように、企業の在庫循環によって、短期の景気循環であるキチン
・サイクルが完成するわけです。
このキチン・サイクル(在庫循環)による、景気のサイクルは、その
時の景気の規模により、多少長短異なりますが、この記事の初めのほ
うで多少述べさせていただきましたように、通例3~4年となります。
そのため個別の株価サイクルも3~4年程度で一巡りしていくように
なります。
まず、最初に動意づく鉄・化学等素材関連株が景気の回復に伴って、
まっさきに動き出して、続いて電気・精密等製品関連株、景気の山を
越えた後は、金融・電力等金利敏感株という具合に、その時々の主力
となる株が、順番にサイクルの居所に応じて移り変わって行くように
なるわけです。